木曾檜の振り子時計

時計のベースに大きな節穴がある木曽檜の一枚板を削り出し振り子時計にしました。木曽檜とは檜の中でも樹齢１５０年以上の天然檜の呼び名です。その木曽檜の大きなテーブル用の無垢材からこの時計のためだけに切り出した一枚木を使用し、木曽檜ならではの細かく美しい木目が堪能できるようにしました。樹齢が高い木曽檜の節のまわりは特に木目が緻密で美しく、その節を振り子時計としました。節穴とは、幹から伸びた枝に更に幹の木質部が枝の樹皮の上に覆いかぶさり成長し、枝の樹皮が幹の中に残ると節となります、この部分は乾燥すると節の収縮率が大きいので抜け落ちて穴、すなわち節穴となるのです。そんな節穴を活かしたデザインにしました。（時計のムーブメントは電池で動くクオーツで、振り子は疑似振り子です。）

時刻目盛りにはスワロフスキーのグラファイトを使用し、やわらかい風合いの木肌にしっかりしたイメージを与えるようにしました。時刻の数字には、黒檀からひとつずつ切り出した数字を使い、視認性をよくしました。振り子には節穴にあった節を使用していますので、木曽檜を存分に味わえる振り子時計になっています。また、檜の美しい色あいや檜独特の香りを損なわないよう、蜜蝋クリームを塗って仕上げています。

ムーブメントは、クオーツ時計のステップを使用しており、振り子と電池をセットして、後ろの針回しで時刻合わせをするだけで、静かに時を刻み始めます。更に壁へのあたり部分は、壁を保護するようにフェルト仕上げになっています。ムーブメントのまわりに隙間があるのは、将来のムーブメント交換の際にどのようなものとでも交換できるようにとの配慮からです。節は自然にできるものですので、現品限りとなります。